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バーチャルYouTuberとは?仕組みを分かりやすく解説【今後どうなる】

2016年あたりから、「バーチャルYouTuber」が見かけられるようになりました。

現在はYouTubeだけではなく、テレビやCM、さらには店舗など、さまざまな場所で見かけられます。

バーチャルYouTuberは、単なる「二次元のキャラクター」ではなく、今までにはない特徴を備えた新しい存在です。

しかし多くの人にとっては、まだ「単なる二次元キャラクターみたいなもの」と認識されています。

しかしバーチャルYouTuberは、実のところ。もう少し複雑で奥行きのある存在です。

本記事では「バーチャルYouTuber」という存在や、その歴史について詳しく解説します。

1.「バーチャルYouTuber」とは?架空のキャラクター

バーチャルYouTuberとは、「架空キャラクターのYouTuber」のことを指します。

架空とはいっても、「まるで実在している」かのように演出しているのが特徴です。

さまざまな技術を用いた結果人間に近い動きや話し方ができるようになり、とても精巧なデザインになっています。

1-1.アニメとの違い

バーチャルYouTuberとアニメの違いは、大きく分けて3つあるでしょう。

具体的には、

  1. 演じている範囲
  2. ストーリーへの依存度
  3. 視聴者との距離

というところに違いがあります。

また、アニメの場合連続的な作画が必要ですが、Vチューバーの場合、一度最初に設定してしまえば、きぐるみのように継続可能です。

1.演じている範囲が違う

アニメは、声優がキャラクターの声を演じているに過ぎません。

姿かたちは、イラストレーションで描かれています。

バーチャルYouTuberは、後述するように声と動きを演じている人がいます。

つまりバーチャルYouTuberのほうがより「演技による振り幅」を大きく持っており、さまざまな表情を演ぜられるというわけです。

2.ストーリー(脚本)への依存度が違う

また、ストーリーへの依存度が違うというのもポイントです。

アニメキャラクターは、セリフどおりにしか話さないし、描かれたようにだけ動きます。

しかしバーチャルYouTuberはアドリブで話すことも可能です。

リアルタイムで「人の動きをトレース(追跡)して」動くことができます。

3.視聴者との距離が違う

重要な違いは、「視聴者との距離」です。

アニメキャラはあくまでも「架空の世界に登場する人」です。

そして多くの場合、視聴者とコミュニケーションを取ることはないでしょう。

あっても一方的にアニメキャラが喋り続けるだけです。

一方でバーチャルYouTuberは、視聴者とチャットなどでコミュニケーションが取れます。

つまりバーチャルYouTuberは、「アニメキャラと比較して視聴者との距離が違い場所にいる」というわけです。

ちなみに「仮想世界(のキャラクター)と現実世界がつながる」ことは、演劇の世界で「第四の壁を破る」と呼ばれます。

たとえば「キズナアイと視聴者が会話した」といったケースが、「第四の壁を破る」ことに該当します。

「第四の壁を破る」というのは、演劇の世界において、ストーリーを面白くする有効な方法です。

バーチャルYouTuberが流行っているのは、こういった演劇の手法を再現していることにも原因があるかもしれません。

1-2.YouTubeで活動していないのは「VTuber」と言える?アプリでの活動は何と呼ぶのか?

YouTubeで活動していないバーチャルなキャラクターは、少なくとも「バーチャル”YouTuber”」とは呼ばれません。

ミラティブといったアプリで活動している場合は、「VTuber」「Vライバー」と呼ぶのが一般的。

ただバーチャルYouTuberの方が、短縮形で「Vtuber」と呼ばれることはあります。

また、

  • 初音ミクや鏡音リン・レンのようなバーチャルシンガー
  • 「えのぐ」のようなバーチャルアイドル

などの「バーチャル○○」も、バーチャルYouTuberと区別されます。

2.バーチャルYouTuberの仕組み(どうやって動いてる?)

バーチャルYouTuberは、おどろくほど自然に動き、話し、ときにはリアルタイムでリアクションを取ったりします。

「どうやってこんな動きを再現しているんだろうか?」と思う人も多いはず。

彼らをあれほど自由自在に動かせる仕組みについて解説します。

2-1.どうやって動いているのか?

バーチャルYouTuberは、主に「モーションキャプチャ」という技術で動いています。

モーションキャプチャとは、一言で言えば「モーションアクターの動きを読み取り、画面上にいるキャラクターへ反映させる」というものです。

たとえば、

  • モーションアクターが手を挙げれば、バーチャルYouTuberも手を挙げる
  • 腕を組めば腕を組む
  • 後ろを向けば後ろを向く

というような形です。

つまりモーションキャプチャで、バーチャルYouTuberは「人の真似っこをしている」というわけですね。

つまり「キズナアイ」にせよ誰にせよ、モーションキャプチャをとおして誰かとつながっています。

モーションキャプチャが使われることで、バーチャルYouTuberはより人間に近い自然な動きをするようになっているというわけです。

3.バーチャルユーチューバーが出現するようになった歴史や背景

「仮装の人物がYouTuberとして活動する」という最初のケースは、「ami Miyamoto」というキャラクターでした。

2011年に登場しましたが、彼女は自分自身を「バーチャルYouTuber」とは名乗っていません。

初めて「バーチャルYouTube」というものrが登場したのは、2016年6月のこと。

今やすさまじい影響力を持つようになった「キズナアイ」が、初めて「バーチャルYouTuber」を名乗りました。

その後、 

  • 電脳少女シロ
  • ミライアカリ
  • ねこます
  • 輝夜月

といった、のちのトップバーチャルYouTuberが誕生。

彼女たち(と、彼女たちを生み出した技術者)の活躍により、バーチャルYouTuberは大流行するに至りました。

彼女たちを追いかけて、多くの企業や組織がバーチャルYouTuberを生み出し続けています。

さらに個人でもバーチャルYouTuberとして活動する人が登場。

それを可能にする技術も出揃っており、ものすごい数のバーチャルYouTuberたちが活躍しています。

また「にじさんじ」といったバーチャルYouTuberで構成されグループなども登場。

これも大人気を博します。

現在では、企業戦略でもバーチャルYouTuberが活躍するようになりました。

たとえば関西圏に店舗展開する「平和堂」では、バーチャルYouTuber「鳩野 幸(はとのさち)」を「採用」。

実際に店頭で登場し、商品宣伝や案内を担当しています。

4.Vtuberの事例・V系YouTuberの紹介

現在では、ものすごい数のバーチャルYouTuberが活動しています。

それぞれが異なった外見や性格、そして価値観や特技を持っていて、とても個性的です。

下記では、もっとも有名なバーチャルYouTuberたちについて解説します。

(登録者、総再生回数は2020年11月1日時点のもの)

4-1.キズナアイ

  • 活動チャンネル名:A.I.Channel
  • 登録者数:約286万人
  • 総再生回数:約3億4,000万回

先ほども触れたように、「世界で初めてバーチャルYouTuber」だと名乗ったのがキズナアイです。

現在もキズナアイは、バーチャルYouTuber業界をリードし続ける存在。

国から観光大使を任される、冠番組を持つなど、YouTubeから大きく飛躍。

「他のバーチャルYouTuberは知らないけれど、キズナアイだけは知っている」という人も多いでしょう。

4-2.電脳少女シロ

  • 活動チャンネル名:Siro Channnel
  • 登録者数:約70万人
  • 総再生回数:約1億1,000万回

電脳少女シロは、2017年に登場したバーチャルYouTuber。

優しい雰囲気と、ときおり見せる気性の荒さでギャップを演出。

また彼女は、「英語が得意」という特別な個性を持っています。

よって海外からも人気を集めているようです。

4-3.バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん(ねこます)

  • 活動チャンネル名:バーチャル番組チャンネルなど多数(元のチャンネルは休止状態)
  • 登録者数:約18万4,000人
  • 総再生回数:約1,500万回

見た目は「狐少女」で声がおじさんという、かなり珍しいバーチャルYouTuber。

現在は所有権が移っていますが、元々は「ねこます」という一個人によって運営されていました。

まさに「イロモノ」と言ったところですが、「個人でもバーチャルYouTuberとして活動できること」を証明して見せた、業界のキーパーソンでもあります。

4-4.Vtuberの作り方について

バーチャルVtuberは、「Blender」や「Maya」といった3DCGソフトフェアで描かれます。

また「Live2D」のようなソフトウェアで描かれる場合も。

つまりバーチャルYouTuberは、3Dと2Dの二種類があるというわけですね。

そして完成したキャラクターに、マイクをとおして声優の声を当てます。

動きについては、モーションアクターの動作を読み取らせる、という形です。

ちなみに、スマートフォンでもバーチャルYoutuberを作ることは可能です。

たとえば「Milative」といったVtuber配信アプリを使えば、すぐにオリジナルVtuber(アバター)が作れます。

詳しくは「Vtuberなり方」の記事にて解説しました。ぜひ、ご覧ください。

5.バーチャルYouTuber今後どうなるか?広がるのか?

バーチャルYouTuberは、企業レベルでも個人レベルでも活動範囲を広げていくでしょう。

そう予測できる理由は多々ありますが、たとえば、

  • 技術進歩によって、さらに魅力的なトークやモーションを習得できる
  • 市場に合わせたタレント性を持たせやすい
  • 「社会的評価を落とす」というリスクが極端に低く、企業が好む
  • 参入が容易である
  • バーチャルであるため、人件費が必要ない
  • 影響力が強く、宣伝広告媒体として強力であるetc…

というような点が挙げられるでしょう。

企業戦略やコンプライアンスとの好相性が目立つので、どちらかと言えばビジネスにおいて、注目されるかもしれません。

いずれにせよバーチャルYouTuberは、今後も活動の範囲を広げていくはずです。

興味のある人は、まずは一人でもいいので、バーチャルYouTuberをチェックしてみましょう。

もちろん、自分自身がバーチャルYouTuberを作る、というのもよいでしょう。

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